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手揉み玉露
in ハワイ 2007.6 | 文章作成:2007年8月 | 日本茶は、ほんとうに世界中から熱いまなざしが注がれています。 ここ数ヶ月の間にも、西オーストラリア州政府の方がお店にお越しになられたり、イギリスの紅茶会社の会長が手揉み玉露の体験をされたりと、日本の方よりも、海外のかたの方が、熱心に日本茶のことを勉強されているような気がします。
そんな中、山下壽一氏と杉本昭氏、出島義裕氏の3人が、ハワイ大学に招かれ、手揉み玉露を教えに2007年6月にハワイへ行ってきました。その様子を、3人を代表して出島義裕氏が「手揉み玉露
in ハワイ」と題して体験記を書いていただきましたので、その様子をホームページよりご案内させていただきます。ぜひご覧下さい。
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 常夏のハワイに茶畑? そんなところで、お茶ができるの?という思いで、どんな茶畑かを見たくて期待し、山下壽一さんと杉本昭さんに同行させていただき、ハワイまで行ってきました。
僕も京田辺市の飯岡(いのおか)というところで、玉露を作っている、茶農家です。自分の作った玉露を世界中の人に飲んでもらいたいと、昨年は、舞妓の茶本舗の社長と一緒に、イタリアにも行ってきました。(その様子はコチラから)茶生産家としては、やはり飲んでもらった後、「おいしい」と言ってもらえると、嬉しいし、やりがいがでてくるし、おいしいは世界共通。
それにしてもハワイはいいわぁ!風がさわやかやし、空気もいいし、気持ちえぇ! 空港に着くと、ハワイのスタッフに出迎えて頂き、早速茶畑に案内して頂きました。 茶畑のある場所は、標高1000〜1300メートル。寒い。常夏では無い。しかも年間降水量5000ミリ。なんだここは。梅雨の日本よりも雨が降りっぱなし。なんとなく期待ハズレ。でも茶園を見ると、想像以上に立派なので驚きました。ハワイの人も「一生懸命お茶作りをされているんだなぁ」と実感しました。
二日目。早速日本から持っていった茶葉で、手揉みをしました。この茶葉は、今年5月6日に山下塾(※山下氏が塾長となって、若手生産家などに玉露作りのノウハウを教える塾のこと)のイベントで手摘みした茶葉です。
参加者約60名。現地のお茶愛好家の方々が続々と集まってこられました。 最初に私たち3人の紹介と、山下さんのあいさつがありました。たくさんのアメリカ人の前でも、いつもと変わらないあいさつをする山下さんはすごい!
手揉みを始めると人だかり。最初は距離感があった参加者も、手揉み指導を始めるとどんどん距離が縮まり、通訳の方の助けも借りながらコミュニケーションが取れてきました。ハワイの方も、手揉みの技術に魅せられ、日本茶のこと、手揉みの技についての質問の猛攻撃である。その質問にすべて答えていた山下さん、杉田さんは恐るべし。
また手揉み指導の間、私は玉露の淹れ方教室をし、実際に玉露を淹れて飲んでいただきました。おいしいと言ってもらえるか、まずいと言われるか不安と期待でドキドキでしたが、意外と好評のよう。最後に玉露の茶がらを利用した「おひたし」を食べていただくと、これも好評で、生産家としても非常に嬉しかった。
この他にもいろいろなことがあり、一言では言い表せないのですが、日本の伝統と文化、そして良いお茶とそれを作る技には、国境や人種はない、と実感しました。本物はどんな時代でも人に喜んで頂けると思います。まだまだ世界中で日本茶に出会いたい人はたくさんいると思います。
今回のハワイでは、いろいろな経験をさせていただき、たくさんの友達もでき、本当に楽しい毎日でした。いい経験をさせていただきまして、ありがとうございました。これからも、美味しいと言っていただける玉露を作っていきたいと思います。 | 出島義裕 |
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