いま欧米諸国では日本茶や中国茶といった、いわゆるアジアンティーがブームになっています。実はこの「チャ」ブーム、16世紀末から17世紀初頭の大航海時代以来、欧米において何回も繰り返し起こっているのです。当時、オランダ東インド会社の船は絹や香料とともにヨーロッパに日本茶をもたらし、高価なものであった「チャ」は貴族の間で東洋の不思議な飲み物として珍重されました。さらに幕末期には、日本の開港によってアメリカに多量の茶が輸出されるようになりました。意外なようですが、開港以来、日本茶の最大の市場はアメリカで、そのころ「ティー」といえば緑茶のことを指し、砂糖やミルクを入れて飲まれていたといいます。 しかしその日本茶も次第にコーヒーにとって代わられ、いまやアメリカといえばコーヒーといわれるほど定着した飲み物となりましたが、ここ数年前から再びアメリカ人は、日本茶に熱い目を注ぎ始めたのです。 ニューヨークでは、日本でもお馴染みのスターバックスが抹茶を使ったメニューを大々的に売り出していますし、高級レストランでは食後の飲み物に日本茶が加えられています。ドリンクメニューにも煎茶・抹茶・玄米茶やほうじ茶などが用意され、多くのニューヨーカーがこの日本茶をオーダーするそうです。また、フランスに本店がある三ツ星フレンチレストランでも同様で、シカゴのスーパーマーケットでは日本茶コーナーの方が紅茶コーナーをしのぐ広い売り場となっています。 アメリカにおける日本茶ブームは同国の健康志向の高まりとともに、ニューヨークを中心に大きなブームが巻き起こっています。ニューヨークの高級レストランで供されている日本茶は舞妓の茶本舗が謹製したお茶ですが、おいしいお茶の味を知っていただくためにも、吟味を重ねた茶葉を使っていただいています。
ニューヨークで、舞妓の茶本舗のお茶が飲めるレストラン「MEGU」
|